ネックの整形について
ネックの製作は、指板接着面の平面出し、ヘッドプレートの接着、ヘッドの整形、ナット周りの粗整形、ペグ穴開け、 トラスロッド溝の加工、ヒールの接着、ヒールの整形がおおよその流れです。工期は案外手間のかかる作業が多いので 10日ぐらいでしょうか。慣れないうちは手直しも多く出ると思いますので、2~3週間は見ておいた方がいいように 思います。今回はツーピース材(への字ネック+ヒールブロック)を使いましたが、ワンピース材を使った場合は、ヒールの接 着の工程が無くなります。逆にクラシックギターなどで主流の平板をを切断しヘッド接ぐ手法(都合上、スリーピース 材と表現します)の場合は、平板を斜めに切り、ヘッドを接ぐ工程が加わります。 ネックの工法ついては、世間では結構な論争になる時もあるようですが、個人的にはどの手法を取っても言うほど大 差は無いと感じています。一応、全部の方法をやったことがあるので、私流に単純解説すると、作業はワンピースが一 番簡単で、スリーピースが一番技術が必要になります。コストで言うと、逆にスリーピースが一番割安で、ワンピース が一番高価になります。 ホンジュラスマホガニーに規制がかかりましたので、いいワンピース材はほとんど手に入らなくなりました。将来を 考えるとスリーピースでネックを作れる技術を習得しておく方と役に立つと思います。 |
ヘッドプレートの貼付け
指板接着面の平面が出れば、次にヘッドプレートを貼る面を加工していきます。帯ノコで切ったようで、凸凹があり ましたので、ネック材をクランプで固定し、カンナで平面出しをします。接着面は完全な平面でないと、整形した時に 隙間が出てきて困ることになります。定規をあてて平面を確認します。また、側面に対して垂直であることも確認します。 |
![]() 材ができれば、タイトボンド?で接着します。ヘッドプレート側は傷つかないように、あて木をしますが、後ろ側は、 後で切り取ってしまうので、あて木はしませんでした。ここからは私感なのですが、ホンジュラスローズウッドのよう に錯綜した木目が美しい材は少し赤身が強い方が、木目が浮き出て綺麗なように思います。逆にインディアンローズウッ ドのように柾が通っている端正な材は、濃い色(黒い)ものの方が高級感が出るように思います。 |
ヘッドの整形
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ナット周りの整形
今回はボリュートをつけますので、その段取りで進めます。GIBSONのギターのようにスカート状になっている場合と若干 手順が異なるかもしれません。まず、ボリュートのとんがり部分をノミを使い面を作っていきます。有る程度この段階で 整形しますが、ネックの握りを整えると(ネックが薄くなると)ボリュートがかなり出てきますので、その時再度修正 (低くすることが多い)が必要になる時もあります。 |
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ペグ穴開け
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ヘッドのデザイン
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トラスロッド溝の加工
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ヒールの接着
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![]() 必要な大きさに切り出せれば、ブロック側の接着面もカンナで平面に仕上げ、タイトボンド2でクランプで締めて接着します。 |
粗切断
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ヒールの整形
ヒールの形は目視で、小さな凸凹は手でさわってみて確認することになります。また、ヒールのセンターのラインが ヒールキャップの先まで真っ直ぐセンターを通っているかもしっかり確認しておきます。 |
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