不純な動機
逆に一定サイズ未満、例えば横幅が足りなくてクラシックギターサイズが取れない材料などは、半端もの扱いで、結構お値段が割安にな ったりするようです。 もう少し具体的に書くと、材の種類にもよりますが、300mm×2100mm×30mmぐらいの材が、比較的割安で売られているの を見かけます。例えば、Martinの0サイズの場合、最大幅13 5/8inch(約346mm)ですので、上手に木取りできれば、側板と裏板が3セット 分取れます。 そう考えると、限られた資金の中で、最大限の効果を得るには、小さいサイズのギターに取り組むのはかなり財布に優しい選択になるよ うな気がしてきました。 |
設計のコンセプト
次にボディ長は、通常スケールのギターから違和感なく持ち換えられるギターにしたいと思っていますので、弦長は630mmで考えています。 12フレットジョイントで考えると、ブリッジ位置(サドル位置)はジョイント部から315mm+αの位置にきます。 実際にギターを弾いているとわかると思うのですが、ブリッジの後ろあたりは弾いた時に非常に振動する部分で、この部分が少ないと、 音を出すのに不利になります。「MARTIN SIZE 5」のようにボディ長が400mm程度だと、630mmスケールをとってしまうと、(ブリッジのサド ルから後ろが20mmと仮定して)、400mm-(315mm+α+20mm)ブリッジの後ろは55mm程度、エンドブロックがあります ので、実際に振動できる部分は35mm程度になってしまいます。 そこで、630mmのスケールでも十分共鳴部分を確保できるよう、ボディ長を450mm以上取り、共鳴部をある程度確保することとしました。 上記のコンセプトに基づき、290mm×455mmで設計したのが、今回のギターです。 またギターを作る場合、例えばクラシックギターでロゼッタ(口輪)が赤ベースの場合、パーフリングまで統一して赤のものにすると、 デザイン的に逆に野暮ったくなったりする場合があります。そのあたりは、プロの作品などを参考にするとよいかもしれません。 |
材料について
整形済み材で買っても結構費用はかかりますが、キットと違い、自分の気に入った材料を自由に使えますし、ある程度、形も自由になります。 銘木店から大きい材を買い切り出す方法なら、更に自由に材も選べますし、形も自由ですが、手間と時間は一番かかります(決して割安とも限 りません)。 購入した木材は、乾燥具合までわからない場合が多いので、しばらく寝かせておいて、自然乾燥させ、反りを出してやります。反りが出た後に 製材しますので、ぎりぎりの大きさの材では、使い物にならない場合があります。。 |