バインディングとパーフリングの接着 |
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バインディングとパーフリングを巻いて行く前に、エンド部の飾りとバインディングの下部の飾りが、線がつながるように
加工します。アコースティックギターではあまり見かけませんが、手工品のクラシックギターでは、必ず額縁に加工され
ています。
飾り部分が45度(ぐらい)でクロスするようにノミで直角に切り落とします。某製作家はこの切断が一発で合わなくな
った時に、潮時を感じたそうです。特に2本目は、バインディングの接合部もぴったり合わせる必要がありますので、より
正確な加工が必要になります。
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接着は、バインディングとパーフリングを同時に巻いていきます。接着時に私はビニール紐を使いますが、粘着テープ
を使う人(セルバインディングに多い)や、型にいれてくさびを打っていく人(スペインのクラシックギターでよくや
る気がします)、ゴム紐を使う人など人それぞれです。
私は、どれがどうという理論を持っていませんが、自分に合う方法を選べばよいと思います。通常のアコースティッ
クギターの場合、ネック側から巻いても、エンド側から巻いてもかまいませんが、今回はエンド側の模様を合わす必要
がありますので、エンド側から巻き始めています。
バインディングの最後は、ノミでまっすぐに切り落とします。1本目の切り落としは接着後でもOKですが、2本
目は接着時に切り落とします。 バインディングの切断については、表板側は神経質になる必要はありませんが(ダブ
テイルを作る時に切り落とすので、隙間があっても問題有りません)、裏板側はバインディングの接合部が、完成後も
見えますので、2本のバインディングがつながるようにきっちり合せます。
また、パーフリングも表板、裏板とも接合部できっちりあうように注意します。表板はエンド部のみですが、裏板は
エンド部、ヒール部ともあわせる必要があります。
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バインディングは1本ずつ巻いていきますので、都合4日必要になります。今回はハイドグルーで接着しましたが
、膠で接着する場合はかなり薄めたサラサラの膠を使います。巻くときに気をつけるのは、紐の締めが緩すぎないこと、
表板(裏板)に対して垂直に側板を紐が通っていることぐらいでしょうか。
慣れれば、そんなに難しい作業ではないと思いますが、結構、力を使うので疲れますし、手がボロボロになるので、
あまり好きな作業ではありません。仕上がりは、バインディングとバインディングの接合部が少し甘めでした。口は偉
そうに言ってますが、実践ではなかなかうまくできません。
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