「D≠水平」
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人間の目はかなり精度の高い部分があって、一見何か違和感があると感じた場合、定規で測っ
てみると、位置がずれていたり、左右非対称であったりします。
逆に錯覚等で、非常にごまかされ易いところもあります。表板を完全にフラットに作った場合、
ほんの1、2mm程度にもかかわらず、やけに野暮ったく感じたりします。それだけでなく、
ボディの左右の端を結んだラインをフラットにすると、ブリッジ部あたりが陥没して見えます。
フラットトップのギターであっても端部分は数ミリ落として仕上げた方が、フラットに見え
ます。そのため、アコースティックギターの場合、Xブレーシングの交点を頂上に若干のRを
つけて削ります。
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「1」「2」の辺りのラインは、端部を少し落とします。
「3」のラインは指板が乗りますので、フラットに仕上げてあります。
すべてのギターがこうなっているわけでは当然ありませんが、角ばってやぼったいギター
だなと思ったら面をチェックしてみるのもよいかもしれません。
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余談ですが、表板が左右で波打つの場合があります。
高価なドイツ松の方がこのように波打つ傾向があったりするようです。
元々、1方向に反る傾向のある板をブックマッチで左右に開いているので、ある程度致し方
ない部分はあるようです。裏板のように、横断するブレースで支えてやれば矯正できないこと
もないのでしょうが、表板の鳴りを殺してしまいますので、楽器としての機能を下げてまで矯
正する必要はないように思います。 |