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last update 2014.11.28

私の雑記帳〜ギター購入外観編〜

3 ネック



3 ネック


 




「A=真直ぐ」




 ギターのお尻の中心から、ヘッドの中心までを1m程の定規を当ててみると、ちゃんとボディ の中心を通っているでしょうか?ネックが正確に入っていればセンターは通っているはずです。 通っていなければ、ネック位置が左右にずれて入っていたり、斜めに入っている可能性があり ます。


 おおよそは、目視で確認できます。表板には、センターにはぎが通っています。通常は、 はぎがギターの中心を通っていますので、エンドブロック側から、はぎのラインを延長し ていくと、ヘッド先端のほぼ中央部にたどり着きますか?

 正確に付いていても、はぎ自体がセンターにきてないギターもあるので、ずれているか らと言ってネックが正確ではないとも言い切れないのですが、オクターブの狂いと同じく、 どこかに原因があるのですから、避けたほうが無難でしょう。



「B⊥フレット」




 ネックが正確にはいっているからと言って、指板が正確に貼られているとは限りません。 フレットの溝が正確に切られているかどうかは、音を出してチェックする時にするとして、 指板がちゃんと貼られているかどうか確認しましょう。

 14フレットジョイントの場合、14フレットがボディの外周にあっているかどうかをまず 見ます。実は位置は、ボディの接合部と平行で、かつスケールさえあっているなら、そ れ程重要ではないのですが、スケールが合っていない場合もありますので、一応チェック しておきます。
 また、フレットが、肩のラインと平行でない場合があります。意図的にずらす場合が無い とは言い切れませんが、一般的には平行に打ってあるものです。ただ、音程をより正確にする ためにフレットをパラレルに打っているギターも実はあります。特殊なギターでそれなりに 高価なので、見分けは容易でしょう。

 疑問に思ったらブリッジの時と同じく、店員さんに確認するか、オクターブを出して確認 するなりしましょう。斜めに付く要因としては、指板接着時にずれるケースがまず思いつき ます(接着剤で滑って結構ずれます)。また、指板の溝自体が真直ぐに彫られていないギター もあります。

 多少のずれは、それ程影響は無いと思いますが、大きく精度が出ていない場合は、 音程がかなり狂ってくると(多少は、フレット楽器の宿命として合わないのは仕方ないですが)、 楽器としては使えませんので、指板を外して張りなおし、最悪は更に塗装の修正も必要に なります。不安な場合は購入を見送った方が無難でしょう。



「C>0° Cは水平」



 アコースティックギターは、アーチドトップ程ではないにせよ、通常、若干の仕込み角がは いっています。ちなみにクラシックギターの場合は、マイナスの仕込み角がはいっており、 ネックが少し起きたような感じで仕込まれています。クラシックギターとアコースティック ギターの仕込み角の違いは、弦の振幅の違い、ブリッジの構造の違いなど、理由があるよう ですが、今回は本筋ではないので、省略します。また、製作者の意図で仕込み角を入れない 場合もあるかもしれませんので絶対ではないですが、原則数ミリ(2、3ミリ!?)の仕込 み角が入っているものと考えてください。

 仕込み角が無いと、ブリッジ、サドルを低くしないといけません。 ブリッジは強度、音響上、余り薄くすると悪影響がでます。また、サドルの頭だしが少ないと テンションが稼げなくなります。余り大きすぎるブリッジや、高すぎるサドルも弊害がありま すので、一概には言えませんが、仕込み角が入っているかどうかのチェックはしてみて下さい。






 指板のフラットは・・・微妙ですね。仕様なのかなまくらなのか。高いギターでも結構こう なってるらしいので、実のところはよくわかりません。自己判断前提で知識だけ書いておきま す。

 ネックに仕込み角を入れて指板を貼ると、ボディの接合部はフラットですので、 接合部を頂点に、への字に曲がります。5mmもある板が曲がるの!?って聞かれそうですが、 接合部が14Fの溝の切込みが入ってるので、そこから曲がります。






 クラシックギターの場合は、 逆への字の部分を、カンナで削り取って水平に仕上げます。私が アコースティックギターを作るときは、接合部の頂点を削って、フラットに仕上げます。よいのか 悪いのかわかりませんが、そういう作り方もあると思っていただければ結構です。

 さて、一番トラブルのあるところ、ネックの反り、捻りです。ネックのそり、捻りの見方は、 結構一般常識的になってきていますので、省略しますが、通常はヘッド側から見ます。ただ、 それで十分なわけではなく、捻りなどはヒール側から見たほうが分かり易いです。

 ネックの反りや捻りが出ている場合は、買わないのが無難です。それでもどうしても欲しい 場合は、自分でなおせるのか、リペアに出すならいくらぐらいかかるのか、欲しい欲しいで熱 くならないように、冷静に計算しましょう。フレット合わせでなおらないレベルで、フレット を外して、指板を削って、フレットを打ち直して・・・となるとかなりの金額がかかります。


「D=直角」



側板はまた後でチェックするとして、ネック入れが正確に加工されているかどうかを確認します。 ネックの接合面は右から見ても左から見ても表板(の指板がついてる面)と垂直にくっついていま すか?垂直になっていないと、ブロックもしくは、ネックの接合面が正確に仕上がっていない可能 性があります。

 また、接合部に隙間はありませんか?ヒール側に隙間があっる場合は、ダブテイルがきっちり 仕上がっておらず、強度が出ていなかったり、そこから塗装が割れてくる恐れがあります。また、 塗装の際に書くと思いますが、ネックの付け根や指板と表板の接着面の角などに塗料はたまって いませんか?たまっていた場合、そこの塗装が割れてくる場合があります。



「E=直角」



 まず、目視します。ヒールの形は左右均等になっているでしょうか。最近はハイフレットの 弾きやすさを考えて、左右非対称に作られているギターもあるので、一概には言えませんが、 スタンダードなヒールは左右対称に作ります。

 次にヒールのセンターを見ます。ヒールは上から下まで、真直ぐ中央の線が通っているでし ょうか。表板のセンターと裏板のセンターどちらもちゃんと中央にきているのに、直線がでて いないギターもあります。視覚的にはわからなくても、定規をあてると曲がってるギターもあ ります。






 余談ですが、最初の図のように1箇所にゆがみが集中すると、誰が見てもおかしいなと思います。 例えばネックが1mm斜めに入ってずれたとしましょう。そのまま商品にすれば、明らかに変です。 そこで、 ヒールの頂点をセンター付近にもって行き、三角の形を整形しなおしてみます。センタ ーで1mmずれ、三角のずれが無い場合、明らかにヒールがずれて見えたものが、センターで0. 5mm、三角の形で0.5mmと狂いを振り分けることで、狂いが分かりにくくなります。実際は ヒールキャップは正三角形ではなく、曲線なので、かなり上手に修正することができます。

 詳しくは書きませんが、ヒールが斜めついた場合でも、同じように歪みをセンターとヒールの 形に分配し、側面の形を修正してやることで、定規を当てない限りわからないように修正もでき ます。まあ、ここまでしてあるギターは他もトラブルがあっても丁寧に修正してるはずなので、 いいギターだと思いますけど。





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