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last update 2014.11.28

TOMSON GF20(前編)





入手!!




 オークションでまたジャンクギターを買いました。TOMSON GF20、ネットで調べると発売は77年、お値段は19,800円みたいです。いかにも通販という価格です。貝風のセルのインレイが豪華っぽいですが、表スプルース合板、裏横マホガニー(サペリ)合板の総合板で、力木はラワン!?仕上げは粗めです。
 落札価格は4,200円、送料を足して約6,000円。ジャンク品だし、ちょっと割高かな とも思ったのですが、ホームページのねた作りのためにGETです。





 装飾に手間をかけたぶん、内部の費用は抑えましたって感じでしょうか。購入目的が使用ではなく、リペアなので、外観もかなり綺麗ですし、なかなかの素材でしょう(^^ゞ
 ジャンクの理由としては、上のフレットで音が詰まるとのこと。 出品者によると弦高が低すぎるのでは?とのことでしたが、さあどうでしょう!? 現物を見て・・・さてさて。。



ネック回りのチェック





 確かに弦高は低いです。ちゃんと計ってませんが、出品者の説明どおり、12Fで2mm強です。ただ、この程度なら音がびびることはあっても詰まるまでは行かない気がします。詰まる理由は別にありそうです。まず疑うべきはネックの反り。目視で確認したところ・・・逆ゾリしてますね。





 フレットに定規を当ててみると1〜2mmは反ってます。可能性として考えられるのは、
 @フレットが浮いている。
 Aネックが逆ゾリしている。
 では、まず@から。フレットを強く押して、上下に動くかどうか調べていきます。 特に音のつまるフレットの上は入念に。1〜2mmも逆ゾリを起こすような浮きは見当 たりません。





 純粋に逆ゾリしているようです(-_-;)ここで再び可能性を考えます。
 @順ゾリを直すため、トラスロッドを回しすぎている。
 A純粋に逆ゾリしている。
 ロッドカバーの木ネジの山を見ると、開けた形跡があります・・・怪しい(-_-) カバーを開けて、六角レンチで反時計回りに・・・硬くて回りません。かなり締めこんで あるようです。ロッドを折らない程度に、力を込めて回します。ロッドを完全に緩めてネ ックの状態を確認。順ゾリしてます(-_-;)。

 ロッドを少しづつ締めては状態を見て、ベストの位置を探します。
 完全に真っ直ぐになる位置はないようです(*_*)。ロッドで調整できる位置(ネックの範囲) は限られていますので、最高に締めても、順ゾリ自体は残ってるようですし、ロッドだけに頼る のはあきらめます。一番真っ直ぐ(順ゾリと逆ゾリが混じってます)に近い状態にします。



フレットあわせ




 ではフレット合わせしていきます。ヘッド側、ボディ側両方を均等に削ってフラットを 出していきます。片方だけ削ると、そこだけフレットが減って、山を起こせなくなるので。 平やすりをフレットの上を滑らせます。弦が無いと真っ直ぐでも、弦を張 ると反る場合もあるので、たまに弦を張って確認しながら進めます。
 フレットの上を滑らせているとき、ひっかくような音(言葉で表現するのが難しいですが) がする場所があったら、要注意です。フレットが浮いている可能性が高いの で、いくらやすりを使ってもフラットにはなりません。





 フラットになったら、頭が平になっていますので、山を起こしていきます。私の唯一の自慢は 、かなり低いフレットからでも山を起こせること。単にロッドの仕込みが下手だからフレットで 修正することが多いだけなんですけど(^^ゞすいません作業に夢中で、写真を撮るのを忘れていま した。
 写真にはありませんが、ヤスリをかけるついでに、木がやせて横に飛び出したフレットの端も 削りました。






 山がでたら、フレットが傷だらけなので、磨きにはいります。サンドペーパーで大きい傷を 消してから、コンパウンドで磨きます。ついでに、指板とブリッジも磨いておきました。






 できあがりはこちら。弦を張ると、コンマ数ミリの順ゾリが出ますが、これ以上フレットを 削ると弾きにくくなるので、適度なところで妥協しています。肝心の音のつまりの方は ・・・びびるフレットが少しあるものの、音が詰まるところは無くなったようです。 弦高3mm弱。もう少し調整したいところがあるのですが、それは後のお楽しみで(^o^)



ペグの取り外し





 ネックの修正が終わったら、次にペグを交換。余りにも安物な上、がたがきていますので、 それなりのものに交換します。






 今回取り付けるペグはこちら。ゴールドでなかなかよいと思いません!?ちょっともったいない 気もしますが、手元にあるのがこれしかなかったので(^^ゞ
 ペグの交換は前にも書いているので、今までと違うところだけにして、他は省略します。






 ネジ穴の位置が違いますので、いつものように爪楊枝で埋めます。作業はいつもと 同じなので省略。
 今回は、ペグのネジ穴の位置が完全に違い、埋めた跡が隠れないので、 似た色で着色してみます。塗料を盛ると、木がどんどん吸い込みますので、吸い込んだ部分に 何度か繰り返し盛っていきます。






 元々違う色ですし、色合わせする技術など持ち合わせていませんので、ある程度で妥協します。 手間をかけたわりに、爪楊枝の色よりはましかな程度です(-_-;)
 塗料が固まったら、余分な塗料をノミで削り取り、コンパウンドで磨きます。



ペグの取り付け





 ペグのブッシュを打ち込む前に、ヘッドをコンパウンドで磨いておきます。作業に使う布は・・・ 穴の空いた靴下(^^ゞ。前は擦り切れたシャツだったし、環境に優しい私。 単に使い古しのほうが、生地が柔らかくて使いやすいだけなんですけどね。





 コンパウンドをかけたら、ヘッドのロゴが消えました。まあ気にしませんけど。
 磨き終えたらブッシュを打ち込みます。写真はとっていませんが、用意したペグのブッシュ の方が、前についていたものより大きかったので、ヤスリで削って穴を広げてあります。
 えっ、ハンマーは金属のほうではなく、プラの方を使わないとですって!?その通りです ・・・ブッシュに傷がついてしまいました(T_T)





 ペグは綺麗に直線に並んでいないと、かなり見た目が悪くなりますので、あて木をして 直線が出る位置にキリで穴をあけます。ちなみに当たり前のことなので、今まで書いてこ なかったのですが、キリで穴をあけずに、いきなり木ねじを打つと木目に沿って割れます。
 蛇足ですが、ヘッドが厚めなのか、ポストの顔出しがちょっと短めです。あまりたくさん 弦を巻けないので、2〜3周ぐらいで収まる程度にしないといけないようです。






 できあがりはこちら。埋めた穴が完全にわからないなんて有り得ないことは、いいませんが、 離れてとか暗いところとかで見ると分かりにくい程度には修正できています・・・と自画自賛。
 ペグを替えるだけで、安物のギターでもそれなりの高級感がでますので、個人的に安いペグは 即交換をお勧めします。

次はナット、サドルの調整には いります(^O^)/



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